新宿のSOMPO美術館で9月10日まで開催されている【 山下清展 】
先日じっくりと鑑賞して参りました(*^ω^*)

 

今回の展覧会は山下清の生誕100年を記念する大回顧展です!
昭和の時代に“日本のゴッホ”とも呼ばれた放浪の天才画家・山下清。
緻密で繊細な表現、そして職人技とも言える高い技術を示す貼り絵など
200点近い作品が展示されていました(*‘ω‘ *)

(※作品の撮影は禁止でしたのでフライヤーを使って紹介させて頂きます)

展覧会では山下清の生涯を5章に分けて紹介し、その時代の作品を展示。
第1章・第2章は幼少期の作品が展示され昆虫や学校行事の描写が多かったです。
『ともだち』という貼絵作品には古い切手が使われており幼少期時点での
色彩センス細やかな表現が素晴らしく大変驚かされました(*ΦωΦ)!

 

写真左:『 ぼけ 』昭和26年 油彩画
写真右:『 長岡の花火 』昭和25年 貼絵

第3章は青年期・画家としての山下清の作品が展示されていました。
この頃は放浪を繰り返している時期で感性豊かな作品を多数残しています。
彼は驚異的な記憶力と集中力を併せ持ち、旅先で見た風景を細部まで正確に
思い出し作品に投影しています。
長岡の花火では揺れる水面に写る花火の表現や、花火を見ている観客1人1人にまで
手の込んだ細部描写がなされていて超絶技巧とも言える作品でした(@_@)

写真はございませんが未完成作品もこのブースに展示されていて
「 あ~、ココで描くの飽きちゃったんだな・・・(。-∀-) 」
と、誰が見ても一目でわかってしまうものも味があって面白かったです。笑

 

写真左:『 ロンドンのタワーブリッジ 』昭和40年 貼絵
写真右:『 パリのエッフェル塔 』昭和36年 水彩画

第4章はヨーロッパで彼が見た風景作品が多数展示されていました!
この頃の作品からは更に細かい描写が増え、点描表現も取り入れています。

ロンドンのタワーブリッジは開閉式の橋げたが上げられた風景を切り取っていて
大きな客船がやヨット描かれており、陽射しが反射した川面が光り輝いています。
川面の波にリズムがあり、街路樹の1本1本の細かなディテールまで微細に
千切られた色紙で描き上げられている素晴らしい作品でした!(≧∇≦)

パリのエッフェル塔は彼の的確で豊かな観察眼を感じる作品です。
鉄塔の存在感と伸びやかで迷いのない線。それに対し人はほのぼのとしたタッチ。
その正反対とも言えるバランスが彼独自の天才的表現力だと感じました。

『 東海道五十三次・富士(吉原) 』制作年不詳 版画

第5章は円熟期の創作活動というテーマでした。
彼は東京を皮切りに京都までの旅を続け作品を次々に仕上げました。
旅の途中で眼底出血を起こして制作を中断⇒その後脳出血により急逝。
彼がライフワークとして挑んだ東海道五十三次シリーズは彼の遺作です。
マジックによる点描で表現された東海道の風景画は、いま現在の私たちが
忘れかけていた郷愁や自然の空気・香りまでも運んでくれる様な作品でした。

今回の展覧会を通して感じた山下清の生涯は“本能赴くまま”です( *´艸`)
学校がつまらないから脱走して放浪してみたり。
作品も気が乗らなくなったら途中で描くのをやめてみたり。
あわただしい時代を一気に駆け抜け49歳で生涯を閉じた山下清。
鑑賞を終えた後は心地よい余韻が残りました。

素晴らしい作品多数の山下清展、皆様も鑑賞なさっては如何でしょうか。
ワタクシ的おススメの展覧会、是非とも足を運んでみてくださいませ:;*(人´∀`)♪

(20230807YK)