富山市五福に位置する富山県水墨美術館。
日本の近代以降の水墨画を中心に紹介する美術館として平成11年に開館しました。
館の名称に用いられる「水墨」という言葉は、水墨画だけでなく広く日本の美を
表す意味がこめられているそうです(*^ω^*)
先日、その富山県水墨美術館で4/21~6/25まで開催されていた企画展
【 花のお江戸ライフ - 浮世絵にみる江戸っ子スタイル 】を鑑賞して参りました!
現在、浮世絵は江戸時代の代表芸術ですが当時は庶民に支持されたメディアでした。
戦国から江戸になり世の中が平和になると「 浮かれて楽しく暮らす 」と言う思想が
広がり、現世を嘆く「憂き世」から現世を浮かれて楽しむ「浮世」へと庶民の生活
スタイルが変化しました。それが「浮世絵」の名の由来と言われております。
浮世絵が始まった17世紀後半頃は「二大悪所」とされていた遊郭と歌舞伎を舞台にした
美人画や役者絵が主題として描かれ、18世紀後半には喜多川歌麿や写楽らが登場。
その頃に浮世絵は華々しい黄金期を迎えます。
庶民文化が成熟する19世紀に入ると、人々の行動範囲や娯楽の対象はさらに広がり
浮世絵にも多彩な主題が見られるようになりました。
旅行ブームを背景にして生まれた風景画をはじめ、趣味、食、ペットといった
現代の私たちの関心事と重なる主題が登場するのもこの時期です。
この企画展では、当時の江戸っ子が夢中になったブームや日常の暮らしに寄り添った
娯楽の数々をジャンルごとに分けて展示してありました。
葛飾北斎や歌川派の絵師たちの作品約150点と、当時の食べ物を再現した
食品サンプル等を鑑賞する事が出来、江戸時代のリアルを感じました。
『 風俗三十二相 むまさう 嘉永年間女郎の風俗 』
私が個人的に好きな浮世絵師・月岡芳年の作品です。
むまさう=美味しそう、という意味合いです(。-∀-)b
遊女が天麩羅を食べており、気軽に食する物の1つであった事が伺えます。
『 風俗三十二相 うるささう 寛政年間処女之風俗 』
この作品も月岡芳年のものです( *´艸`)←推し浮世絵師をちゃっかりプレゼン
三十二相の“そう”に掛けて“〇〇そう”という表題で描かれているシリーズです。
うるささう=うるさそう、の意味合いで少女に溺愛されている猫がそのように
感じているのかもしれない、という面白い目線の作品です。
猫の白くてフワフワとした毛なみは、紙に凹凸とした模様を施す「空摺(からずり)」
という技法が用いられており、立体感のある表現となっています。
この企画展は浮世絵を楽しみつつ江戸庶民の生活を垣間見れて面白かったです♪
江戸時代の女性もお洒落とグルメに興味ある事がよ~くわかりました。
更にいつの時代もネコ様は可愛い、という事もよ~くわかりました!←猫派(笑)
富山県水墨美術館で開催されていた花のお江戸ライフ展は6月25日で閉幕。。。
今後は図録を見返しながら当時の江戸ライフ鑑賞を楽しもうと思います(*´∀`*)
(20230703YK)