アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックはフランスの画家です。
作品にはポスターの名作が多く、ポスターを芸術の域にまで高めた功績でも
美術史上に特筆されるべき画家です。
当時はポスターだけでなく、出版社より作品掲載依頼も多かった事から
人気画家の地位を不動のものにしたとされています( ̄∀ ̄)b
そのロートレック展が新宿のSOMPO美術館で6月から開催されており
先日の東京旅行時に鑑賞して参りました!
ロートレックによる紙作品の約240点を鑑賞できる展覧会です!(≧∇≦)
ポスター中心の版画作品、雑誌や書籍のための挿絵、家族や知人にあてた手紙、
ロートレックの私的な写真など、画家に肉薄した作品と資料が展示されていました。
上のポスターはロートレックの友人であるアリスティド・ブリュアンです。
ロートレックが通っていたキャバレーの歌手で、下町の俗語を使いながら最下層の
人々の暮らしを歌い、上流階級を罵倒するシャンソンで人気を博しました。
ブリュアンのトレードマークである黒い上着につばの広い帽子、赤いマフラー、
手にはステッキを持っている彼の姿をポスターに描いています(。-∀-)
【 ラ・ルヴュ・ブランシュ誌 】
1889年にリエージュで創刊したラ・ルヴュ・ブランシュ誌は1893年以降から
芸術家による描きおろしの版画作品が掲載されるようになりました。
上の宣伝ポスターは編集長の妻ミシアがスケートをする姿を描いています。
【 ジャヌ・アヴリル 】
シャンゼリゼの「シャルダン・ド・パリ」にダンサーのジャヌ・アヴリルが
出演した時のポスターです(*´∀`*)
ロートレックはジャヌに魅了され幾度となく絵画や版画作品に彼女を描いています。
ロートレックは自身が身体障害者として差別を受けていたこともあってか、
娼婦や踊り子のような夜の世界の女たちに共感するようになります。
パリのムーラン・ルージュをはじめとしたダンスホールや酒場などに入り浸り
彼女らを愛情のこもった筆致で作品を描きました。
【 ディヴァン・ジャポネ 】
ディヴァン・ジャポネとは日本の長椅子という意味です。
これは日本風の装飾が施されたディヴァン・ジャポネの宣伝用ポスターです♪
中央に描かれている女性は先でも紹介したジャヌ・アヴリルです(*^ω^*)
舞台上の女性は特徴的な黒い長手袋からイヴェット・ギルベールだとわかります。
イヴェット・ギルベールは黒の長手袋に明るい色の服を着てステージに立ちました。
ほとんど立ったまま動かず歌に合わせて長い腕を動かしてジェスチャーをしながら
歌うため、ポスターなどで「語り手」と紹介されることもよくあったそうです。
ロートレックの晩年はモンマルトルでの奔放な生活が招いたアルコール依存症に
苦しみ1901年に37歳という若さで逝去。
没後は友人たちの協力によってすぐに回顧展が開催されました。
22年にはトゥールーズ=ロートレック美術館が開館しポスター作家に留まらない
芸術家としての活動が紹介されました。
ロートレックは後期印象派の代表的アーティストのひとりとしてセザンヌや
ゴッホ、ゴーギャンと並び評価されています。
波乱に満ちた人生の中、素晴らしい才能を開花させたロートレック。
世界を鋭い観察眼で見つめながら卓越したセンスで描き続けた作品が
多数展示されており、大変見応えがある展覧会でした。
興味がおありの方は是非とも鑑賞なさる事をおススメ致します(*‘ω‘ *)
(20240729YK)